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口蹄疫騒動 [雑感・話題]

 口蹄疫騒動はおさまるどころか拡大を続けている。伝説の種牛「安平」(人間で言えば100歳)の処分のときは話題だけであったが、わざわざ隔離する形で避難させていた現役種牛五頭のうちの一頭、「忠富士」を処分した段階で、東国晴知事が残りの四頭を含む49頭の処分を猶予するよう国と協議することを申し出た。今日まで伝えられた牛・豚の処分は「畜産農家の財産処分」である程度は金で解決することのができる部分であった為、宮崎県畜産家の損害の代弁者としての発言していればよかった知事が、ここにきて「宮崎県の知的財産」に相当するといってもいい種牛の喪失に対しては「ちょっと待ってくれと言わざるを得なくなったということだろう。
 そもそも騒ぎの根本はどこにあるか?2004.12.1付けの口蹄疫に関する特定家畜伝染病防疫指針というのが、農林水産省から出ている。全てはこの指針に乗っ取って進んでいると考えていいだろう。それによると基本方針の中で、「国内で発生した際には、国際的な本病清浄国の防疫原則に則り、殺処分により本病の撲滅を図り、常在化を防止する対策を実施することが重要である。」と謳われ、患畜および擬似患畜を屠殺しなければならないと示されている。しかし、法律に書いてあるから、指針があるからと屠殺しなければならないというのは少し乱暴で、もう少し科学的な説明が欲しいというのが本音のところである。本年5/23付けで農林水産省が口蹄疫について知りたい方へと言う文書を出している。これを見ても病気の性質として「口蹄疫にかかると、子牛や子豚では死亡することもありますが、成長した家畜では死亡率が数%程度といわれています。しかし、偶蹄類動物に対するウイルスの伝播力が非常に強いので、他の偶蹄類動物へうつさないようにするための措置が必要です」とは書いてあるものの患畜および擬似患畜を屠殺しなければならないと言い切るほどの根拠としては弱いように思います。鳥インフルエンザは現在皆が憂慮するH5N1のような今日独方のウィルスではかつて鳥ペストと呼ばれたように非常に致死率の高い病気でいったん発生すると、買っている鳥そのものがいなくなってしまう危険性があるといみで早く処分する必要があるのは理解できるが、口蹄疫では関知する可能性もあるというより死亡率は数%程度であるとわかっているのに100%の屠殺を求めなければいけないのか?そこのところが釈然としない。www.agr.okayama-u.ac.jp/amqs/josiki/48-9705.htmlに日本獣医畜産大学畜産食品工学科肉学教室の名で、豚に感染すると、発育障害をきたし、痩せこけて食肉としての利用ができなくなると説明されているが、牛に関しては何も書いてない。要は養豚業を保護する為に対策を行う必要があるということなのだろうか?治療法がないから処分するのだとの声も聞こえてくるが、ウィルス性疾患なら殆どが治療薬はないのが普通だろうから説得力を持った説明にならない。その辺のわだかまりがあるからなのか、沖縄県の恐らく農業者のブログ(arinkurin.cocolog-nifty.com/blog)の5/15の記事に「現実にそぐわない家畜伝染病予防法」との記述があり、現実の対応に関しては「殺処分は自然治癒可能な家畜を、治療することもなく放置し、そして殺すだけが防疫という非人道性があるばかりか、現実に起きてしまって初期封じ込めに失敗した伝染病に対しては、殺処分が追いつかないという無力な防疫方法」と揶揄しています。さらに「昭和26年に制定されましたが、実態は戦前の旧法をそのまま踏襲」とかんがえかつての「らい予防法」と同様の愚法であるとの考えを示しています。東国晴知事も多少なりともこのような思いがあるのではないかと思うところであります。
 かつて杉田二郎&北山修のコンビが戦争を知らない子供たちを世に送りました。同時に私たちは天然痘も狂犬病も、寄生虫病も知らない世代です。口蹄疫の怖さというものももう一つピンと来ないのも事実。法律があるから、指針があるからではなくもう一歩進んだ解説が欲しいなと思うこのごろです。明快な説明をしていただける型があれば教えて欲しいものです。余談ですが、「怖さを良く知っている獣医出身の四日市市の諸岡覚市会議員」がブログの中で、国と県の対応のまずさを指摘し、「知事と大臣、腹を切れ」と書き立てて、ブログが炎上したらしいです。

PS:記事投稿後、昼のニュースで山田副大臣が、49頭の種牛の処分問題について、「これに特例を認めたら、示しがつかないので、県としては処分すべし」との発言をしていた。ここで真に必要なのはある対策の実行のその効果に関する根拠であって、「法律遵守」とか「意地」とか「見栄」ではないと思うのだが、公の電波でこのような発言が流され、世の中も「ふむ、ふむ」となんとなく納得しているのことに歯がゆい思いがする。


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clara

前些天,由口蹄疫,跟女儿说起很久很久以前人类处置天花病人的手段。不寒而栗。
by clara (2010-06-29 23:02) 

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