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混乱のイラク、法は混乱を抑えるか助長するか? [テレビ評]

暫く記事をアップして無い。頭が回らないのか、もしかしてうつ?うつでは無いだろうが、世の中明るい話題に乏しい。 そんな中、先週テレビを見ながら思ったことがある。

 先週は、9.11から八年ということもあって、その関係者のその後といった内容のテレビ番組が多かったようだ。居酒屋にてそのうちの一つを見た。フセイン独裁政権が米軍の攻撃で倒れた後、多くの住民は民主的な生活を夢見たに違いない。しかし、軍隊の駐留にも拘らず続くテロ事件、当初は何れ収束すると見られていたが一向に落ち着かない。米国の大統領もブッシュからオバマに変わり、何れ米国の撤退も予想されているのが現実だ。その状況にあって、イラク国民のイラク国民による自治はなかなか進んでないらしい。商業は闇商売が横行し、取り締まるべき役所の制度が追いついてないらしい。役所に勤める公務員そのものが薄給且つ不定期給のため殆ど賄賂に頼る生活をしているという。レポートは生活を切り詰めてせっかく大学を出たものも警察・教師などの公務員試験を受けようとするも賄賂無しには受験票そのものがもらえない現実に将来を憂う若者の話から始まった。勿論賄賂を要求するのは公務員そのものではないが、「中間」業者がテレビ撮影という公のメディアが入っているにも拘らず、値引き交渉をする大学生に「金が欲しいのは俺じゃなく、役人なので、俺に値引き交渉をしても全く意味が無い」と言い放つ。そういった社会状況の中では犯罪も多く、司法は大忙しで、流れ作業で裁判が行なわれている。フセイン元大統領の裁判が形式的であったと世界の批判を受けたが、現場の裁判官が今、国の建て直しは健全な司法からとの思いで取り組んでいる姿が映し出された。しかし彼らを取り巻く状況は厳しい。フセイン時代は政権からの介入があり、現在は司法に携わる者が殺人などの対象になっているという。こういう悲観的な社会にあって、ここで司法が後退すれば社会はますます混乱に陥ると思ってか、司法の世界に飛び込んでくる若者も映し出された。彼らはフセイン時代、イラク戦争の時代の不条理さにだけは戻りたくないとの思いでいる。レポートは彼らの心の中には彼らが、ムハラビ法典で乱れた世を安定化させた優秀な祖先を持つという誇りを紹介していた。

 話は変わるが9/16朝日・中日など各紙にインドネシアで所謂姦通罪に石打ち刑を導入する法案が通ったという話が載っていた。少し調べると「石打ち」というのはイスラムの世界では姦通のほかに同性愛などにも適用されることが多いようで、反道徳罪に対する処罰のようである。姦通罪の多くは女性が負うことが多いようだが、かの国の一夫多妻制度を支える法律ともとれる。この法律の成立は伝統的なイスラムの法を守るという考えもあるようだが、穏健派イスラム教徒や人権団体からは反対が上がっているようで、イスラムの世界も一言では語れない。ところでこの石打ち刑、どんなものだろう。受刑者は地面に掘った穴に半身を埋められる。顔に目隠し、或いは袋をかぶされた状態で四方八方から投石を行なうという死刑の方法らしい。イラン出身の女優の話として投石は延々1-2時間に及ぶという考えただけでおぞましい刑罰である。

 私たちは日本にいて自民党が大敗北をして民主党政権になるだけで大変だ、ていへんだどうなんねん、と喋る言葉も何弁かわからない怪しい状態になるが、イスラムに支配されるイランは大変だろう。勿論法による安定化は必要だろうが、かの国の法自体が宗教の大きな影響下にある。そしてその宗教そのものが穏健的というよりも過激な宗派が伸びてきている現状で果たして法が国をまともに出来るかどうか気の遠くなる話かもしれない。


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